才能の開花と家族・社会への影響Ⅴ

こんにちは!ゆめゆめの佐藤です。

さて前回、障がい者も「好きなことでイキイキと」生きられるをお伝えしましたね。

今日はその続き「応援とモチベーションの相乗効果」についてお伝えします。

応援とモチベーションの相乗効果

誰かに応援してもらうとうれしいですよね。私自身もそうですが、わくわくして気分が上がり、「よし、また頑張ろう!」という気持ちが入道雲のようにもくもくと湧いてきます。

ゆめゆめの利用者さんたちも同じです。先ほどお話ししたIさんの例でも、その才能を開花させるために、私たちは特に二つのことを大切にしてきました。それは「自由に絵を描くこと」と「自由に過ごすこと」です。

絵を描くことが好き、得意だといっても、制限のある環境の中では思うような表現ができません。ですから、表現する対象を限定したり、使用する画材を制限したりせず、描きたいものを描きたいように描いてもらいます。そうすることで、表現したいという意欲が自然と湧き上がり、その気持ちを持続させることができるのです。

また、表現を充分に引き出すには、その過程での自由な時間の使い方も大切です。自分だけのスペースで、表現をイメージしているときの独特なしぐさも、それが安全で他者に迷惑をかけない限り、すべて認めています。完成に向けてのアドバイスも、求められたときだけ行うようにしています。

できあがった作品は、商品として販売するだけでなく、様々なイベントやコンテストにも応募しています。これは、より多くの方の目に触れていただくことが、利用者さんへの大きな応援になると考えているからです。

応募の際には、必ず利用者さんと一緒に受付会場に行くか、配送の依頼に行きます。作品を応募すること自体を、自分のこととして実感してもらうためです。また、作品を応募する際の手続きを通じて、人とコミュニケーションを取る経験を重ねることも、社会性を身につける大切な一歩となっています。

ます。良い結果はもちろん、残念な結果であっても必ず共有し、その結果を利用者さん本人にどのように伝えるか、一緒に相談させていただきます。これは、ご家族と支援者が一体となって利用者さんを応援することが、何より大切だからです。

そして、その活躍の様子は、常に応援してくださるお客様にもご紹介しています。利用者さんを中心に、支援者とご家族、そしてお客様がつながり、まるでファンクラブのように一丸となって応援する——。そうした環境の中で、利用者さんは自身の活動が認められ、さらには自分自身が認められているという実感を徐々に得ていくのです。

このような経験を重ねた利用者さんは、さらに自身でやりたいことを見つけ、進化を続けていきます。それは、絵画作品の色彩や仕上がりの向上だけではありません。様々なコンテストに挑戦したいという意欲や、電車の切符を買う、バスの乗車券を券売機で買うといった日常生活での新たな挑戦、そしてそれらに伴うコミュニケーションでの成功体験へと、着実に広がっていくのです。

その結果、「もっと有名になりたい」「もっとお金を稼ぎたい(自立するために)」と、より具体的な目標を持って意欲的に行動するようになっています。これは、作品づくりという枠を超えた体験が、確かな自信となって実を結んだ証といえるでしょう。

例えば、自分の展示会を見に行くために「JR窓口で切符を買う」「JRに乗車する」ことや、お客様への商品発送や出展応募のために郵便局の窓口で発送をお願いすること。また、お客様へのイベント来場やお買い上げに対してお礼状やメッセージを贈ることなど。これらは、家族とだけでは経験することが少ない、社会とのつながりを実感できる貴重な機会となっています。こうした経験の積み重ねが、「できた」「できる」という実感を、着実に利用者さん自身のものにしているのです。

このように、好きなこと・得意なことを仕事にする姿は、ご家族にも大きな気づきをもたらします。「わが子は周囲から認められている!」という発見は、新たな可能性への希望となっていきます。

私たちの経験から、確信を持ってお伝えできます。

障がいのある方が好きなことを仕事にし、周囲の応援を受けながら成長していく――

それは決して夢物語ではありません。

実際にゆめゆめに来る利用者さんは、そんな未来を切り開いているのです。

札幌テレビ塔・KSK・I初期作品

あっ!少し長くなりましたね。

では続きは次回ということで・・・

またお会いしましょう。

佐藤寿恵

シェアしてくださると嬉しいです♪

この記事を書いた人

佐藤寿恵のアバター 佐藤寿恵 施設長

コメント

コメントする

目次
閉じる