こんにちは!ゆめゆめの佐藤です。
さて、前回「障がいのあるひとの親御さん・親戚に伝えたいメッセージ」についてお話しましたね。
今日は「この取り組みがもたらす希望と成果」についてお伝えいたします。
私たちが実践してきたことを通じて、確信を持って言えることがあります。
それは、「障がいのあるひとも、好きなことを仕事にして、伸び伸びと人生を楽しみながら成長していくことができる」ということです。
障がいを持つ人の多くは、作業所でのシール貼り、部品の組み立てなどの単純作業や、清掃、簡単な事務作業やコピー取りなどマニュアル化され、個人の興味や才能を活かしづらい仕事に就くことがほとんどではないでしょうか。
もちろんそれらの作業を下に見たり、否定する意図はまったくありません。それらが好きで得意な仕事であれば、それは素晴らしい天職です。
ただ、もしもそうした仕事しか選択肢がなく、しかも自分には合っていなくて窮屈な日常を感じている方が身の回りにいるなら、、、
「まだ明るい未来の選択肢がある」
ことに気がついてほしいのです。
その確信の根拠となる、ある出来事をお話ししたいと思います。
毎年、秋になると不調傾向をみせる利用者さんのことです。
2023年、札幌での激しい寒暖差と気圧の変化は、その方を不調どころか絶不調にしてしまいました。先にお伝えした絵を描くことが得意な利用者さんです。
普段はひらめきを色彩に変え、丁寧に作品を作り上げているのに、秋になったとたん暗い色使いと雑な仕上げが続きました。
その絵を見て、「もうダメだ~」「下手になっちゃった・・・」「もう!描きたくない!!」という暗いことばが出るばかり。
その後、数カ月間まったく絵を描かない、そんな状態が続きました。ここまでの不調は今までにありませんでした。
そこで、私たちは応援してくださるお客様へお願いをしました。
「どうぞもっともっとご声援をお願いします。より笑顔パワーをこめた作品をつくります」と。
すると、たくさんの方からメッセージが届いたのです。
「暑い夏で体調をくずした人も多いかもしれません。絵を描きたくない日もあるでしょう。そんな時はあせらずのんびりして下さい。きっとまた描きたくなるでしょう。いつも応援しています」
「自分の心を大切にして絵を描いてください。自分自身が一番自分の絵をすきであることが一番大切であり、『力』であると思います」
なかにはお電話をくださった方もいます。
そんな声援を受けて、利用者さんは少しずつ自信を取り戻し、絵を描き始めました。時々笑顔も見えるようになり、「やるしかないか!」「休みながらやればいいんだ!」と口にするようになったのです。
自分でなにかを表現する。その表現したものにいいね!をいただく。いただいた応援(いいね!)は「これでいいんだ!このままでいいんだ!認められたんだ!」という自己肯定につながります。そして、「もっとやろう!」「やりたい!」と意欲をわきたてます。
この意欲は、社会に踏みだす一歩となります。社会性を身につけるきっかけになるのです。
それだけではありません。お客さまからいただく応援のことばは、利用者さんの笑顔をも引き出し、将来への方向性を照らしだすのです。私はそう確信しています。
ことばには大きな力があります。
ことばの力は障がいのあるなしにかかわらず、だれしもが受け取ることができる大切な力です。さらに目からだけではなく、音として聞こえることばはより秘めたる力を聞く人に与えます。
肯定することば、応援することばから受ける直感・ひらめきはその人の生き方さえも変える力をもっています。この事例はそれを証明しているといっても過言ではないでしょう。
あっ!少し長くなりましたね。
では続きは次回ということで・・・
またお会いしましょう。
佐藤寿恵
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